酔頭禿筆日記 sioux_pu’s diary

現像ソフトも編集ソフトもない撮ってだしです。というのもどうかな、と最近思っています。

プレスコート

紙の艶出し加工で、「プレスコート」ってのがある。
紙に液を塗布して、熱をかけながら圧胴で押さえて表面を平滑にして艶を出す加工。
板紙に対して加工するのが一般的だが、薄紙にこの加工を施す際には注意が必要。印刷面がベタで、かつインキが完全に乾燥していない場合、薄紙は圧胴に取られてしまう。プレス液が溶剤系であるためインキを溶かし、年度が増すため圧板に付着するようだ。
板紙であれば、紙の自重で圧胴からはずれるのだが、薄紙は自重がないためそういう訳にはいかない。

インキの乾燥が酸化重合の場合、表面の乾燥に20分から30分、完全に乾燥するまで2〜3時間といったところが常識になっている。それだけの時間を経過してもインキが用紙に定着しなければ、印刷時の浸し水の管理が不十分でインキが乳化しており、それ以上時間をおいてもインキの定着は望めない、ということになっている。
しかしながら、実際の印刷物では、なぜか24時間では乾燥しなかったものが40時間とかおいておいたらなんとか乾燥した、ということがあったりする。そんな中途半端な刷本にプレスコートをかけたい、もちろん納期もない、という場合。
用紙の四方に白を各5mm程度つくることによって、圧胴への巻き上げを防ぐことができるらしい。
四方のインキのない部分は、プレス液を塗布しても表面が変化しないので圧板に粘着せず、圧板から離れ、その結果用紙の重量により(多少乾燥が不十分でも)圧版から剥離するようだ。