酔頭禿筆日記 sioux_pu’s diary

現像ソフトも編集ソフトもない撮ってだしです。というのもどうかな、と最近思っています。

あばばさんのSEM本を買ったはなし(その2)

 「待て次回!」とかいいながら2週間以上放置してしまった。その間、結構やばい鬱っぽいのがやってきて、

「引きこもり…うつ病セルフネグレクト孤独死…黒い液体」

なんて単語が頭の中をぐるぐるしていたのだった。おまけにおなかの調子も悪くて...

 それでも先週の火・水あたりが底だったようで、ずいぶん楽になってきたのでその2を書きます。

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 id:mamamanax さんの『Joie de Sem』。本文32ページ+表紙。無線綴じ。

 はじめにSEM社の歴史の概説、それからベルチオ付きのSEMFLEX、アンジェニュー付きのSEMFLEX、SEMFLEXStudio、BABYSEM&KIMがそれぞれ作例付きで紹介されている(作例って単語はあまり好きではないのだが)。

 SEM社の歴史は簡潔にわかりやすくまとめられている。第2次世界大戦後は、フランスのひとたちもみんな写真を撮りまくっていて、それとともにSEM社が発展したのがわかる。ただ、老眼のわたくしにとっては字が小さいかな、それから1行の文字数が多くておおきな視線移動になるのでちょっと読みにくい。これを修正するとページ数が増えてしまうので仕方がないですね、そうだ、ちいさいものがあるならマクロレンズを買おう!!ちがう老眼鏡を買え。運命の出会いをしたCros氏はどこ行ったんだろう。

 ベルチオとアンジェニューは結構ことなる仕上がり。

 色温度の影響があるにしても、ベルチオは全体にオレンジがかった色調で青が印象的な写り。アンジェニューはグリーン調で赤が鮮やかに浮き出る。撮影地がブリュッセルとパリなので被写体もいいっすね。ベルチオでやや逆光で撮ったグランプラスの写真がすばらしい。使用フィルムの記載はないが、ポートラ160を使われることが多いようです。

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 アンジェニューも良いが好みなのは断然ベルチオですね、ベルチオ付きのSEMFLEXにロモの800詰めて秋の愛岐トンネル群とか良さそうだよなー。でも紅葉を撮影するならアンジェニューか?買わないよSEMFLEX。

 Studioはちょっと持て余し気味な印象。入手されてから入稿まであまり時間がなかったようなので、撮影機会が足りなかったのでしょうか。

 BABYSEM&KIMはかわいい。うちにも探して確保したヤツが1台います。ボディはPEN EE初代より横幅が少し狭い。レンズがF2.9と明るい。そしてトリプレットはたいてい良い。

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 ボディにレリーズボタンが移動して2重露光防止になったタイプは、シャッター半押しすると2重露光防止が働いてシャッターが切れなくなる場合があるので注意ですよ。うちのKIMは、シャッタースピードが1/400まであるが被写界深度目盛がないのです不親切。

 それにしても、SEMFLEXといいKIMといい、SEM社のカメラはたいへんバリエーションが多い。見かける個体見かける個体、細かく仕様が異なる。

 そのほか「現在の120フィルムと当時の120フィルムは裏紙の厚みが違うので自動コマ送りだとコマかぶりをすることがあるから、赤窓を見てフィルム送りをした方が確実」など、SEMFLEXの購入を考えている人には親切な、ユーザーならではの助言もある。いや。SEMFLEX買わないですけど。

 印刷は上質で、UVオフセット印刷らしく、白場のコート紙の光沢と印刷面のダル面のコントラストのある仕上がりがとても上品である。誤植というか誤変換はほとんどない。3ページに「手を売った。」があった程度。それから23ページの右下の写真のマスクがすこし大きく、写真の左にある「ら」が文字欠けしているので、そのへんは3刷があれば修正してほしい。

 あとは若干無線綴じの糊がうすいかな?

 表紙にプレスコートなど光沢処理があるとより本格的になるんだけれどなぁ(だからコストの問題だって)。